きおろし きもの教室  

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着物の勉強会

今月は、恵比寿本校での着物の勉強会に2回出席しました。

1回目は生徒さんと「きもの知識」の勉強会。

こちらはブログにも時々書いている生徒さんのための授業で、

実際に着物や帯の反物に触れて、

その手触りなどを知って貰うための授業です。

教科書で読んだ大島紬や結城紬などに実際に触れられる機会はあまりありませんから、貴重な授業で生徒さんにも好評です。

私は解説係ですが、行く度に用意されている反物は異なるので、私にとっても勉強になります。

今回も生徒さんが実際に大島紬と結城紬を手に取って

「へえ〜、こんなに違うんですね」。

その他の紬や小紋、夏の着物などもご覧になって、とても勉強になったようでした。


もう一つは「着こなし講座」。

こちらは初等科を卒業して自分で着物が着られるようになった方が、着物のコーディネイトなどを学べる講座です。

「一年を通して着物を着たい!」という方向けの講座なので、基本的に着物を着て受講します。

 

私は既に受講済みですが、こちらの教室でこの「着こなし講座」の授業を開きたいと思い、

”教える勉強”に通うことにしました。

つまりインターンですね。

これから一年、恵比寿校で実際の授業に参加しながら、開講に向けて勉強します。

今回の授業内容は「夏の着物」。

綿・麻などのカジュアルなものから、絽・紗・羅まで、

色々な反物を広げて勉強しました。

夏の着物には、ほんとうに沢山の種類があるんですよ。

勉強とはいえ、実際にたくさんの反物を手に取れるのは、

とても楽しいことですね。

 

一年を通して勉強しましたら、こちらの教室でも「着こなし講座」を

開講したいと思います。

                         興味のある方は、是非いらして下さいね。

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プロフェッショナルのきもの

先日NHKの「美の壺」で相撲の話をしていました。

その中から衣装に関係するお話をご紹介します。

 

まず、力士の締めている廻し。

稽古用は「稽古廻し」と言い、写真のようなもので、素材は綿。

これが十両以上になると、本場所では「締め込み」と呼ばれる絹の廻しを締めます。こちらは絹の繻子織。博多織もあるようですが、番組で紹介していたのは長浜市の手織りの機屋さん。通常の帯の4倍の密度で織るそうです。

 

もう一つは、行司の衣装。

幕下の取り組みの行司は木綿の衣装に裸足で土俵に上がりますが、

幕内の取り組みと仕切る「立行司(たてぎょうじ)」になると、衣装も豪華になって西陣織の錦地になります。

その仕立にも様々な工夫があって、手掛けるのは神官装束などを扱う専門家。

立行司の腰には短刀が差してあり、これは「差し違えたら腹を切る」という意味だそう。

(もちろん、今では本当に腹を切ることはありませんよ)


話は変わりますが、左は今読んでいる文庫です。

著作者の岩下尚史さんは、テレビでもちょくちょくお見かけします。

「ハコちゃん」の愛称で呼ばれていて、いつもお着物をお召しですね。

この本は、その岩下さんが昭和前期から新橋で活躍した芸者さん達にインタビューして、

当時の花柳界の様子をまとめたものです。

 

まだ途中までしか読んでいませんが、当時の花柳界では帯結び一つとっても、土地独自の特長があって、あれは新橋、あちらは赤坂・・・などすぐに見分けがついたそうです。

また着物の仕立ても、芸者さんは衣紋を大きく抜きますから、「玄人(くろうと)仕立て」と言って、一般の人とは異なる仕立て方をするのだとか。

着物のことも色々出て来て、面白く読んでいます。

 

今「着物を着る」というと、なんとなく教科書通りというか、みな同じように着ようとしてしまいがちですが、

本来は着物の着方にも個性があって良いハズですね。

まあ「自分らしく着る」ためには、何回も着てあれこれ悩んで・・・ということになりますが。

 

 

新年度が始まりました

桜が満開です。

皆さまはお花見に行かれたでしょうか?

 

私は先日の良いお天気の日、主人と「お花見に行こう!」ということになり、まず時々行く地元野菜を使ったお料理を出してくれるレストランでランチをしてから、近所に桜見物に行くことになりました。

 

まずランチですが、この日は日曜日でレストランは一杯。

この日もデザートまでたっぷりいただいて、

「いつも美味しいね」。

食事をしながら何処の桜を見に行こうかと相談し、

そこからあまり遠くない柏市の「あけぼの山公園」に行くことにしました。

 

到着してみると駐車場も一杯。

駐車場もたくさんあるので、待つことはありませんでしたが、お天気に恵まれて大勢の家族連れで賑わっていました。

 

桜の花も八分咲き。

とっても綺麗で、春の一日を楽しみました。

 

 



さて、新元号も発表されましたね。

日本の古典、それも万葉集からの出典ということで、少し前に和歌の勉強をしてきた私はとても嬉しく思いました。

入院されているお茶の先生にお便りしたところお元気な様子で、

新元号にお名前の一文字が入っているので「ヤッター!と思いました」と返信が。

これからしばらくリハビリの毎日だそうです。

 

暖かくなってきて桜も咲き、新元号も発表され・・・

新しい時代が、穏やかで良いものであって欲しいと思います。

 

 

きものへの憧れ

先日美容院に行った際、雑誌「和楽」(小学館)が置いてあったのを手に取って読んでいたら、

「鬼怒鳴門亭日乗/文・鬼怒鳴門」というページがありました。

「鬼怒鳴門」というのは、ドナルド・キーン先生がご自分の名前を宛て字にしてお使いになったものですね。

 

キーン先生は日本が大好き、日本文化に造詣が深く、ご本もたくさん書いていらっしゃいます。

日本との関わりの最初は、若かりし頃に古本屋でたまたま手に取った「源氏物語」の翻訳本だったとのこと。

まだ戦争中のことで、読み始めてその美しさに救われたのだとか。

そこから先生と日本の絆は少しずつ深まって行き、東日本大震災の後に多くの外国人が帰国する中、

「私は日本人になる」と宣言されて、日本に帰化されました。

そんな先生も、今年の二月に96歳の天寿を全うされましたね。

 

さて、その手に取った和楽(2019年4月号)に掲載されていた先生の文章は、ずっとこの雑誌に連載されていたもののようですが、この号のタイトルが「着物」。先生がお書きになったものなので、興味深く読みました。

まず、先生が初めて「着物」を着たのが戦争中。着物といっても浴衣ですが、軍隊の仲間との集合写真に先生お一人が浴衣で写っています。先生が、日本との戦争中になぜ一人浴衣を着ていたかについては、先生ももうお忘れだとか・・・。

 

戦後に憧れの日本に留学することになったのですが、住んだのは京都。

そこで先生は狂言を習い始めます。そのお稽古をするために着物が必要で、着方や畳み方を覚えました。

当時の京都では今よりも着物を着て歩く方はずっと多かったそうで、

ある時、道で出くわした中年女性二人が通りの真ん中で立ち止まり、丁寧に羽織を脱いでお辞儀を交わしていた光景が忘れられないと書いていらっしゃいます。

 

先生はよく浴衣に下駄を履いて歩かれたそうで、

カランコロンという音が大好きだったとも。

下駄の音に心を奪われる様子は、

ラフカディオ・ハーンの文章にもありますね。

 

「着物を習う」というと「着付け」に気を取られてしまいがちですが着物に触れることは、日本人の心に触れることのように思います。

着物について学びながら、幾つかでもそんな日本の心に出会っていただけたら嬉しく思います。

 

 

百人一首

10月から聴講していたお茶の講座の最終回に出席してきました。

今回の内容は百人一首。とはいっても歌の解釈ではなくて、茶道との関わりの中で考えてみようという内容です。

茶道具の銘を和歌から取ることがありますから、和歌を知っていると理解が深まることがあるのです。

 

今回の先生は、早稲田大学教授の兼築信行先生。

百人一首についてのご本もたくさん出していらっしゃいます。

お茶の盛んな松江のご出身で、お母さまは茶道の先生だとか。

楽しいお話はあっちに飛び、こっちに転がり・・・あっという間の2時間でした。

 

百人一首というのは、「古今和歌集」を含む勅撰和歌集から選ばれた和歌です。

選者は藤原定家と言われていますが、実ははっきりしないのだそうです。

一番多いのが恋愛の歌で、約半分になるのだとか。

 

 

百人一首はかるたにもなっていますね。

もちろん、百人一首が成立した頃からかるただったワケではありませんよ。映画「ちはやふる」のような競技かるたは、明治時代も終わり頃に成立しました。

兼築先生曰く「あれは、歌の内容を知らなくても、覚えさえすれば出来るんです」。早取りを競う競技かるたは、どちらかというとスポーツに近いのだとか。

  

ところでお茶の話ですが、唐絵か墨跡が中心だった茶掛けに、初めて和歌を使ったのが武野紹鴎ですね。

「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」

阿倍仲麻呂の歌です。

武野紹鴎は連歌師だったとも言われ、和歌を三条西実隆に学びました。和歌に造詣が深かったんですね。

 

ところで講義最後に兼築先生が、「和歌は”音”です」おっしゃいました。

皇居での歌会などで、歌がろうろうと詠み上げられますね。

「あーまーのーはーらーーー」

和歌は解釈しようとする前に、まず耳でじっくり聞いてみるのも良いかも知れません。

折角日本人に生まれたんですから、百人一首くらいアタマに入れておきたいものだワ!

と思いますが、色々なことがなかなか記憶できない今日この頃です・・・。