備前焼

連日猛暑が続いています。

そんな中、岡山・倉敷・しまなみ海道方面に旅行に行ってきました。

何回かに分けて、旅行の様子を書きたいと思います。

 

まず行ったのは伊部(いんべ)。備前焼の故郷です。

ここでお茶事に使える花入を買う予定で、お茶の先生に色々と相談していました。

町には備前焼の店舗が並んでいて私にとっては一日歩いていても飽きないところですが、時間があまり取れませんでした。最初に駅前の「備前焼ミュージアム」を見学してから、隣の伝統産業会館へ。ここには作家別にずらりと作品が並んでいます。ここを一巡りして一応の目星をつけて、ここだけは行きたいと思っていたお店へ行ってみることにしました。それは、今年の冬に東京で「The 備前」という展示会があった際、とても素敵な作品を出展していた若手作家さんのお店です。

町中を流れる不老川
町中を流れる不老川

楽しみにしていましたが、残念ながら夏休み。

後ろ髪を引かれつつ、最初の伝統産業会館に戻りました。

 

何点か目を付けていた物をそれぞれ再確認して、

予算もある中で、一番気に入ったものを選びました。

いつかお披露目の日が訪れますように。



花入をあれこれと探す間にちょっと休憩に入った喫茶店で、頼んだアイスコーヒーが入って出てきた器は正に備前焼。モダンなデザインに「こんな形もあるのね」と思いながら手に取ると、ガラスの器とも陶器の器とも違ったぬくもりのある(?)冷たさが伝わってきました。

口当たりも優しくて、こんなカップが欲しくなってしまいました。

けれど花入の他にカップまで探している時間はなくて、

忘れ物をしたような気持ちで、伊部を後にしました。

 

翌日は倉敷。

前日の備前焼のカップのことが頭から離れず、

倉敷に何軒かある備前焼のお店を覘いて歩きました。

 

 

あちこち歩いて、やっと気に入ったカップに遭遇!

私の手にすっぽりはまる大きさです。

 

「ねえねえ、いいでしょう?」朝、このカップでコーヒーを飲みながら隣の主人に声をかけました。

「ふ~ん」とそっけない返事。

別にいいんです。自分用に自分のお小遣いで買ったんですからね。

大切に使っていこうと思います。

 

 


伊部にある国の特別史跡・旧閑谷学校。屋根瓦は備前焼。
伊部にある国の特別史跡・旧閑谷学校。屋根瓦は備前焼。

展示会と研究会

毎月、月末は何となく慌ただしいです。

今月はそれに夏のような暑さも加わり、ちょっとぐったりですね。

 

そんな中、見たかった展示会とお茶の研究会に行ってきました。

展示会の方は、東京国立博物館の「美を紡ぐ日本美術の名品」展。

皇室が所有する平安から近世に至るまでの名品をあまねく拝見出来るもので展示品も、絵画・書・焼き物など様々です。

とにかく素晴らしいものばかりですから、お時間のある方は足を運んでみて下さい。6月2日(日)までです。

 

この展示会のチケットで、常設展も見ることが出来ます。

実は常設展の方も展示替行われていて、事前に調べて行くと思わぬ名品に会うことが出来ますよ。国立博物館ですから、こちらも見ごたえ十分。

 

お隣の平成館では「東寺」展を開催中。

本館から出て来ると、平成館の入場を待つ列がすぐそこまで伸びていました。この日も夏日だったので、炎天下で並んで待つのも一苦労ですね。


日曜日はお茶の研究会に参加しました。会場は昭和女子大・人見記念講堂。

朝9時20分に受付開始というので、早起きしてお茶の友達と出掛けましたが、

渋谷乗り換えの田園都市線なので、ここから行くのはなかなか大変です。

 

裏千家では年に何回か研究会を実施していますが、実は参加するのは初めて。ステージ上で見本のお点前、それを同じステージ上の先生が講義、その様子がスクリーンに映されて拝見する、というものです。

会場に到着すると既に長い行列が。

洋服OKとのことで私は洋服でしたが、ちゃんとお着物を着ている方も。

 

今回の講義内容は、法磨之式と盆点と入子点。

社中以外の方のお点前を拝見するのも新鮮、先生のお話も「なるほど」とうなずきな      

                 がら伺うこともあって、有意義な一日でした。

 

 

六古窯

今日は5月1日。令和がスタートしました。

今日は日本中がお祝いムードに包まれていますね。

 

GWが始まってから実家に帰っていましたが、今日戻って来ました。

4月下旬はちょっとバタバタしていたので、久しぶりのブログです。

話は少し戻って先月末のこと・・・。

 

出光美術館で開催中の「六古窯」展に行ってきました。

六古釜とは瀬戸・常滑・越前・信楽・丹波・備前を指しますが、

これらは日本的な焼き物として親しまれてきました。

今回の展示会ではそれぞれの代表作品を展示するとともに、

それらが桃山時代には茶の湯の器として注目されるようになる様子をみることができます。

また青銅器や中国陶器もといった唐物も合わせて展示されていて、

中世の焼き物の魅力を味わえるものとなっています。

 

六古窯という名称は知っていても、一目見て「〇〇焼き」と断言することは

私にはまだまだ難しいです。

今回の展示会ではそれぞれを比較しながら見ることが出来るので、

興味のある方は是非ご覧になって下さいね。

 

さて、出光美術館は皇居のすぐ近くにあるので、美術館の窓から皇居を眺めることが出来ますね。

この日は4月26日。

生憎のお天気で、来たる天皇陛下の御退位や新天皇の御即位を前にひっそりとしていました。

 

ところでこの日、膝の手術をされたお茶の先生も無事退院されました4月は先生が入院されていたのでお茶のお稽古はお休みでしたが、

今月からまた再開です。

季節は既に「風炉」・・・忘れてしまったお点前の記憶を思い起こしながら再びお稽古に通います~。

 

 

百人一首

10月から聴講していたお茶の講座の最終回に出席してきました。

今回の内容は百人一首。とはいっても歌の解釈ではなくて、茶道との関わりの中で考えてみようという内容です。

茶道具の銘を和歌から取ることがありますから、和歌を知っていると理解が深まることがあるのです。

 

今回の先生は、早稲田大学教授の兼築信行先生。

百人一首についてのご本もたくさん出していらっしゃいます。

お茶の盛んな松江のご出身で、お母さまは茶道の先生だとか。

楽しいお話はあっちに飛び、こっちに転がり・・・あっという間の2時間でした。

 

百人一首というのは、「古今和歌集」を含む勅撰和歌集から選ばれた和歌です。

選者は藤原定家と言われていますが、実ははっきりしないのだそうです。

一番多いのが恋愛の歌で、約半分になるのだとか。

 

 

百人一首はかるたにもなっていますね。

もちろん、百人一首が成立した頃からかるただったワケではありませんよ。映画「ちはやふる」のような競技かるたは、明治時代も終わり頃に成立しました。

兼築先生曰く「あれは、歌の内容を知らなくても、覚えさえすれば出来るんです」。早取りを競う競技かるたは、どちらかというとスポーツに近いのだとか。

  

ところでお茶の話ですが、唐絵か墨跡が中心だった茶掛けに、初めて和歌を使ったのが武野紹鴎ですね。

「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」

阿倍仲麻呂の歌です。

武野紹鴎は連歌師だったとも言われ、和歌を三条西実隆に学びました。和歌に造詣が深かったんですね。

 

ところで講義最後に兼築先生が、「和歌は”音”です」おっしゃいました。

皇居での歌会などで、歌がろうろうと詠み上げられますね。

「あーまーのーはーらーーー」

和歌は解釈しようとする前に、まず耳でじっくり聞いてみるのも良いかも知れません。

折角日本人に生まれたんですから、百人一首くらいアタマに入れておきたいものだワ!

と思いますが、色々なことがなかなか記憶できない今日この頃です・・・。

 

 

 

The 備前

お茶の友人と、焼き物の展示会に行ってきました。

展示会の名前も「The 備前」。カッコイイですね。

今回の展示会では、桃山時代に茶陶として焼かれるようになった古い備前焼の名品から、人間国宝の作品、現代の若手の作家の優品まで、あまねく見ることが出来る貴重な展示会です。

 

ご存知のように、備前焼は釉薬を一切使わず焼き締めるだけで生み出される焼き物。そんなことから「土と炎の芸術」とも呼ばれます。

実はずっと備前の良さをわからずに来ました。

ただまっ茶色いだけじゃないの・・・。

釉薬のかかっていない備前焼に対する私の印象はそんな感じでした。

それがいつ頃からか、魅かれるようになりました。

で、今回の展示会はとても楽しみにしていたのです。

 

会場は国立近代美術館・工芸館。土曜日には「タッチ&トーク」という、作品に触れたり詳しい説明を聞かれるイベントが行われるのを知っていたので、今回も土曜日に出掛けました。

 

会場でしばらく展示品を見ていましたが、「タッチ&トーク」の時間になり集合。

まずは、別室で備前焼の作品に触れることに。

焼き締めて作られた作品は、小さなものでも手に持つとずっしりとした重さ。

少し大きな花入れもありましたが、これに水を入れて花を生けると、かなりの重さになりそう。

手に取って間近にその肌合いを鑑賞しました。

 

その後展示室で主要な作品について解説を伺いました。

備前焼には釉薬がかかっていませんが、「緋襷」や「牡丹餅」「胡麻」などと呼ばれる景色が見どころです。

 

たっぷり見て、今回は図録も買って来ました。

これからじっくり開いて見る予定です。

展示会は5月6日まで開催した後、全国を回る予定。

アーティストトークなどのイベントが予定されている日もあります。詳細は、美術館のホームページをご覧下さいね。

 

 

ひなまつり

ひなまつりが近づいてきました。

毎年この時期に登場するのが、右の写真の我が家のお雛さま。

随分前に京都の伏見で購入した伏見人形のお雛さまです。

上方式なので、向かって右がお内裏さま。

関東式は、左右が逆になります。

 

いつもお二人で寂しく過ごしていらっしゃるのでは?と思い、

毎年この時期になると、お茶の先生のお宅に「お泊り」します。

先生のお宅のお雛さまと、しばし楽しく過ごしていただこきましょう!という企画です。

 

今年は先生がちょっと体調を崩されて、お雛さまが出るかどうか・・・と思いましたが、

どなたかお手伝い下さった方がいらしたとのことで、無事に今年も並びました。

 

最近は2月の中旬頃から、お稽古にいらした社中の皆さんに「まだ遊びに来ないの?」と尋ねられるようになったそうです。

先週のお稽古の際にお連れして、我が家のお雛さまと先生のお宅のお雛さまが一年振りの再会を果たしました。

社中の皆様にも声をかけていただいて、しばし楽しく過ごしていただくことに。

写真のお菓子は、先生のお宅にお泊りするのに手土産で持参した源吉兆庵の和菓子。一年振りの再開に、おしゃべりの花が咲いたでしょうか?

 

約一週間のお泊りをして、今週のお稽古の日、我が家のお雛さまも一緒に帰ってきました。

来年の今頃まで、再びお二人だけの時間が流れます。

 

季節は間もなく啓蟄。

地面の下で縮こまっていた虫たちも、暖かい気配に穴の中から這い出して来ると言われる頃。

3月は何となく慌ただしいですが、何か新しいことが始まる気配を感じる季節ですね。

 

 

 

棗(なつめ)にまつわるエトセトラ

お茶の友人と、東京国立近代美術館・工芸館で開催中の「棗(なつめ)にまつわるエトセトラ」という展示会に行ってきました。

工芸館の所蔵品の中から、人間国宝の作品や近代の漆芸家・木工芸作家が手掛けた作品がたくさん出品されるというので、期待しながら出掛けました。

棗はお茶を入れる道具ですが、その形もそこに施される装飾も実に様々です。

今回は「漆芸」が見どころの中心。

漆芸には、蒔絵、螺鈿、彫漆・・・など様々な技法がありますが、

どれも本当に細やかで、その繊細さは日本人ならではと言えるかも知れません。

漆製品を英語で「Japan」というのもうなずけますね。

今回の展示作品では、人間国宝の作品を含めた数々の作品の様々な手業を間近に見ることが出来、

その素晴らしさにうっとりしました。

 

工芸館では水曜日と土曜日に「タッチ&トーク」というイベントを行っています。

これは約1時間で、作品に実際に触る機会と学芸員の方から詳細な説明を聞ける機会が一緒になったもの。観覧券があれば誰でも参加出来ます。

行った日がちょうど土曜日でしたので、参加してきました。

別室で作品に触れながら漆の基本についてお話を聞いてから、展示室に移動して

いくつかの作品について詳しい説明を聞きました。

例えば、展示品の中の室瀬和美氏の「老松蒔絵棗」には、点々と丸く光る装飾が。

学芸員の方が「これは何だと思いますか?」

果てさて何でしょう・・・銀?真鍮???

なんと小さな真珠とのことでした。

正に日本の手業ですね~。

会場の最後に「近代工芸の名品」と呼ばれるの物が何点か展示されていました。

ふと目に留まったのが、香取秀真(かとり ほつま/1874ー1954)の銀製の花瓶。

香取秀真は印西出身の鋳型工芸作家です。

鳥が彫られた優しい雰囲気の作品でしたが、ここで香取秀真作品に出会うとは思っていませんでした。

 

興味のある方は、今月11日(月・祝)まで展示しています。

 

 

初釜

昨日は社中の初釜でした。お茶室は、例年使わせていただいている柏の葉公園内の松柏亭。

週の始めの天気予報では、あわや雪!とのことでしたが、前夜に降った雨も朝には止んで、清々しい朝を迎えました。

日中もお天気に恵まれて、お茶会日和になりました。

 

今回の初釜では、昨年お茶名をいただいた記念に、

先生が社中の皆様への披露の席を設けて下さいました。

一緒にお茶名をいただいた方と一席ずつ、

広間で社中の皆様に、濃茶を点てて差し上げます。

 

私がトップバッター。

「では始めます」との先生のお声でスタート。

実は、自分自身の心を上手く落ち着かせることが出来ないまま始めてしまい、お道具を持って入り点前座に座った途端、「あっ、足袋カバーを履いたままだワ」。

脳裏に、秋の口切の茶事で主菓子をお客様にお出しするのに、準備したまま確認せず出してしまい、

お客様が蓋を開けたらサランラップがかかっていた・・・というようなことまで思い出されてきました。

お点前の最後の方で、一旦水屋に下がった際、急いで足袋カバーを脱ぎました。

足袋カバーは、大切な場面に綺麗な足袋でいるために履いておくものですから、本番前には必ず脱がなければいけません。

お点前の方も若干不手際が・・・大勢の方の前で、心を落ち着かせてお点前することは、なかなか難しいですね。

 

お昼のお弁当
お昼のお弁当

ところで、いただいたお茶名ですが、

 宗直(そうなお)

です。これからも、精進して行きたいと思います。

 

お披露目が終わった後は、ホッとして色々なお席を楽しみました。

ご準備して下さった先生、ご一緒して下さった皆さま、

どうもありがとうございました。

 

 

「東洋漆工と製作技法」

月1回聴講しているお茶の講座の3回目に行ってきました。

「東洋漆工と製作技法」というタイトルで講義をしてくださるのは、鶴見大学の小池富雄先生。

先生は、名古屋の徳川美術館にお勤めしていたこともある方です。

 

お茶の講義ですから、今回の講義の中心は唐物漆器。

天目台や茶入を乗せた盆などの話が中心でした。

 

今回はその製作技法についても伺いましたが、

同じ天目台を作るのにも、中国式・日本式と技法が異なるというのは興味深く聞きました。

これも近年のX線やCT撮影でわかったことだというので、科学技術というのはすばらしいですね。

 

お話はちょっと横道にそれて・・・

最近は中国のお金持ちの方々が、昔日本に輸入されたこの「唐物」を買いにいらっしゃるのだそうですよ。

中国では文化大革命の際、こういった古い物をほとんど灰にしてしまったのだとか。

それで本国には残っていない古い時代の物を、日本に買いに来るのだそうです。

物によっては数億円!という物まであるのだとか・・・。

最近ニュースのあちこちで億単位の金額を耳にしますが、

庶民にはちょっと実感しない金額ですね。

 

年内に東京に出るのは恐らく最後。

なので東京に出たついでに、少し年末年始の買い物をしました。

いま街中は、クリスマスとお正月が一緒になってなかなか賑やか。

お菓子売り場も、お歳暮とクリスマスとお年賀が同居しています。

私もちょっとお正月のものを調達しました。

 

今年も残り僅か。

そろそろ断捨離を兼ねた大掃除を始めようかしら・・・。

 


和食と発酵食品

お茶の勉強会第2回目に行ってきました。

内容は発酵食品について。

講師は発酵食品についてたくさん本も書いていらっしゃる東京農業大学の小泉武夫先生。

 

講義の前半は発酵食品の分類や特徴について。

発酵食品には乳酸菌で発酵するヨーグルトや、大豆を発酵させて作る納豆など様々なものがありますね。

私も今年の夏は「発酵」にちょっと凝りまして、随分たくさん発酵食品を食べました。

甘酒も一時流行りましたが、これも発酵食品。

ビタミンやアミノ酸、ブトウ糖などを含み、「飲む美容液」なんて呼ばれることも。

この「飲む美容液」というのも、今回の小泉先生が言い始めたんだそうですよ。

 

発酵食品について勉強した後、いよいよ和食と発酵食品の関係のお話へ。

小泉先生は、和食が世界遺産に登録されるに当たり尽力されたそうですが、

その小泉先生によると、和食の特徴として、

まず日本には世界一良いお水があるということなんだそうです。

日本の水には鉄分が含まれておらず、それが日本酒を産む第一条件であり、

お茶の色が綺麗な緑色になることや白いお豆腐が出来るのも、

美味しい水があってこそなのだそうです。

 

また日本食の基本は「植物」。

根茎(大根、芋、牛蒡など)、菜の葉、青果、山菜・茸、豆、海藻、穀物の7種。

また五味といつて、辛(からい)、酸(すっぱい)、鹹(しおからい)、苦(にがい)、甘(あまい)という味覚がありますが、和食にはこの他に「旨(うまみ)」という味覚があると。

つまりこれが「だし」で、昆布・しいたけ・煮干し・・・などから取りますね。

 

最後に先生は、和食には哲学があるとおっしゃいました。

季節感、約束事、挨拶・・・。

茶席でお茶をいただく際に、先の連客には「もう一服いかがですか?」、次の連客には「お先にいただきます」と言ったりしますが、こんな礼儀も日本ならではなのかしら?と思いました。