羽織のはなし

着物を着始めたばかり、という方には「着物の上着」までなかなか手が回らないかもしれませんが、

着物を着慣れてくると、「着物の上に羽織物無し」というのは、ちょっと恥ずかしいような心持ちがしてきます。

 

「着物の上着」は防寒のためばかりではありません。

何より、大切な着物を汚れから守ります。

まだ着物を着慣れない方には、例えば綺麗に結べないお太鼓を隠してくれたりする役割もありますね(#^.^#)。

 

「着物の上着」には、大きく分けてコートと羽織があります。

コートは洋服の時と同様、部屋の中で着ていてはおかしいですから、玄関で脱ぎます。

 

羽織は、洋服で言うところのジャケット。

ですから、室内で着ていても構いません。

 

羽織には、羽織紐を選ぶ楽しみもあります。

最近の羽織紐には取り外しのしやすい金具が付いていて、

簡単に交換出来るようになっています。

写真の羽織紐は、金具式のマグネットタイプ。

結ぶ手間がありません。

もちろん、金具式で結ぶタイプの物もあります。

 

写真はこれからの季節に着る紗の羽織。

秋口まで着られます。

 

羽織紐をこれからの季節は写真のような白い色、秋口にはもっと濃い色に取り替えて・・・、ということも出来ます。

羽織紐は帯の真ん中辺りに来るので、結構目立ちますよ。

 

帯の地色、帯締めの色、帯揚げの色、そして羽織紐の色・・・

ここにもコーディネイトの楽しみがあります。

金具式の羽織紐は簡単に取り替えられますから、羽織紐をいくつか用意しておいて、

その日のコーディネイトに合わせて、羽織紐を替えても良いのです。

 

本当に、着物のコーディネイトの楽しみに終わりは無いのですね。

 

 

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先日の授業で、生徒さんがご自分の浴衣をお持ちになりました。

藍地にあさがおが白抜きされた柄で、藍と白のコントラストがキッパリと美しく、「やっぱり藍はいいわあ」と思いながら拝見していました。

 

藍には色々な種類があります。

インド藍、琉球藍・・・日本の藍はタデアイから作られ

ジャパン・ブルーとも呼ばれています。

 

そんなことを考えていたら、昨日テレビで藍に関する番組を2本やっていました。

どちらも再放送ですが、改めて見るとまた幾つか教えられることがありました。

一つは「美の壺/藍染め~ジャパン・ブルー再発見」。

この中に、福本潮子(しほこ)さんという藍染めを中心に活動されている染織家の方が出ていました。

福本さんによると、色の中で藍ほどグラデーションに巾のある色は無いとのこと。

福本さんは、葛飾北斎の富嶽三十六景の中の「甲州石班澤」の藍の表現に、触発され続けているのだそうです。

富嶽三十六景/甲州石班澤
富嶽三十六景/甲州石班澤


もう一つは、志村ふくみさんの「四季と心をつむぐ”色”」。

この中に藍染めについて語っていらっしゃる場面がありました。

志村さんは藍甕で藍を育てていらっしゃいますが、

「色にいのちがあるってことを教えてくれたのは藍」

「色は(単なる)色ではない」

志村ふくみ作「夜の湖」
志村ふくみ作「夜の湖」

最後に、こちらは私の手提げ。藍染めの弓浜絣です。

深い藍色に染められていて、一目で気に入って買いました。

木綿生地の普段使い。

お茶のお稽古の日に使っています。

 

藍色に染められたものは、

どこかほっとして落ち着きますね。

日本人には、とてもよく似合う色だと思います。


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お天気に恵まれたGW

今年の関東地区のゴールデンウィークは、お天気に恵まれています。

カラッと晴れて、すがすがしい気持ちの良いお天気が続きました。

 

私は数日横須賀市の実家へ。

4日に三浦半島にある父のお墓参りに行きました。

最寄駅は京浜急行の終点・三崎口駅。

三崎口駅は、三崎のマグロを食べに行く方たちの

いわば表玄関。降りたら見たこともない長蛇の列が!

そういえば電車の中から混雑していました。

皆さん遠くから「三崎のマグロ」を食べにいらっしゃるのですね。

 

実家からの帰り道、たばこと塩の博物館でやっている「着物と装身具に見る江戸のいい女・いい男」という展示会に寄りました。

季節感や古典をモチーフにした日本の意匠というのは、本当に美しいですね。

なかなか興味深い展示会でした。

期日を決めて、面白そうな内容の講演会もあります。

 

 

入館料は100円と安いですから、お近くに行かれた際は立ち寄ってみてください。

7月2日まで開催しています。

 

この日も晴天で、

博物館近くのスカイツリーも青空をバックにスッキリと立っていました。

 

今年の連休もあと僅か。

Uターンの渋滞もそろそろ始まるとか。

あと少しお休みして、

また来週から頑張りましょう!


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季節の移ろい

昨日は冬のような寒さで再びコートを出してきて着ていたのに、今日は気温も上がって暖かい一日でした。

毎週末雨に降られていた桜も、この辺りでは散り始めたとはいえ、まだ綺麗な花を咲かせています。

 

暑がりの私としては、だんだん気温が高くなってくると、

着物でいるのもじっとしている間は良いですが、

いざ動き始めると、汗との戦い・・・という季節になってきました。

 

お茶のお稽古もその一つ。

火の前に着物を着て座っているのですから、寒い季節は良いですが、気温が高くなってくると、汗が流れてきます。

お茶は、5月からが風炉の季節で夏仕様。

けれどその一ヶ月前の4月は、冬半分・夏半分ということで、

写真のような「透木釜(すききがま)」と呼ばれる釜を使います。

釜の回りにぐるりと羽根がありますね。

このために、炉に釜をかけた際に、釜下の炭火の熱が上がって来ないようになっているのです。

実際、通常の釜よりも暑さを感じません。上手く出来ていますね。

 

話は変わって、こちらの写真は着物用の肌着。

今年は、着物を着た時の暑さ対策に、

ワンピース型の麻の肌着を買いました。

麻は肌につかず、とても涼しいですね。

この肌着はしかも楊柳なので、さらにサラッとします。

暑がりの私は、着物も洋服も麻が好き。

麻は、洗濯してもすぐに乾きます。

麻の着物は、洗って形を整えて干すだけでアイロン不要です。

着物も本来は5月一杯は袷の季節。

けれど近年の温暖化で、正式な場所以外では、5月下旬にとても袷は着ていられません。

洋服でも、最近はゴールデンウィークの頃に夏日で半袖を着ていることもありますね。

着物にはある程度のルールがありますから、まずは見えないところから「夏仕様」を始めてみました。

これから着物も季節の移ろいと共に、春から夏へ、着心地や印象の軽やかな物へ・・・

と少しづつ変わっていくことになります。

 

 

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襲色目(かさねのいろめ)

日本橋屋長兵衛/桜かすてーら
日本橋屋長兵衛/桜かすてーら

お茶の先生のブログを拝見していたら、春らしいお菓子の写真が載っていました。

先生はこのお菓子から素性法師という人の歌を思い浮かばれたようです。

 →http://blog.goo.ne.jp/gsouwao/e/7ca37bf2c2739d73d75e307567850b0b

私はこの色合いから、「襲色目」が思い浮かびました。

 

襲色目というのは、平安時代の十二単(じゅうにひとえ)などに見られる

色の重なりの組み合わせを指します。

この色の組み合わせには、色の重なりの感じでそれぞれ名称が付けられています。

その名称も日本の四季の風物を表現していて、とても美しいのです。

この名称は当時の歌や文学作品にもよく使われているので、

覚えていると作品理解の助けになるかも!?

例えば、桜。

桜に関する襲色目は、数多くあるそうですよ。

 

左から、桜襲(さくらがさね)、薄花桜(うすはなざくら)、桜萌黄(さくらもえぎ)、薄桜萌黄(うすざくらもえぎ)だそうです。

※写真:「すぐわかる日本の伝統色」福田邦夫・著 東京美術

    「かさねの色目」長崎盛輝・著 青幻舎  より

 

まだこの他にも、紅桜(べにざくら)、白桜(しろざくら)、花桜(はなざくら)、葉桜(はざくら)・・・これらの名称からは、

日本人がどれほど桜を愛してきたかが伝わってきます。

 

ところで今年の桜はゆっくり咲くようですね。

東京は昨日満開とのことですが、近所の桜はまだこんな感じです。

 

 

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萬祝染(まいわいぞめ)

数日前の夕刊に写真のような記事が載っていました。

ある車が主催する『地域の独自性や技術を活かして新しいモノづくりに挑む「匠」を応援するプロジェクト』に、

千葉県から「萬祝染」が選ばれたという内容です。

 

萬祝染は、大漁祝いなどの宴会席で揃って着る晴れ着の着物です。

お祝い着なので、柄は鶴亀や恵比寿さんなどのおめでたいもの。

鴨川などの海沿いで着られてきました。

千葉県指定の伝統工芸品です。

 

今回「匠」に選ばれたのは、

この萬祝染を受け継ぐ染物店の四代目・鈴木理規さん。

まだ20代の若者です。

 

大漁祝着/       御宿町歴史民俗資料館蔵
大漁祝着/       御宿町歴史民俗資料館蔵

鈴木さんは、萬祝染の縁起の良い図柄を活かしてクラッチバックを考案。

現代の若い人にも使ってもらえるように、両面に柄を入れ、またノートパソコンなども入れられる大きさにしたとのこと。

 

 

 

 

このプロダクト名は、

縁起の良い図柄が、買ってくれた人にも良い出会い・出来事をもたらしてくれることを祈って「ENISHI」と命名。

 

木さんは「このバッグを持つことで、少しでも気分が明るくなってくれれば」と思うと同時に、「萬祝染」などの伝統工芸に興味や関心を抱くきっかえになってくれれば」

と期待しているそうです。

 

若い人が伝統工芸品を伝えて行こうとする姿に、

応援したい気持ちになりますね。


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袴の季節

今週は、卒業式が多く行われたようですね。

先日恵比寿教室での勉強会に行く際に、あちこちで袴姿の女性を見かけました。

 

袴は通常無地ですが、袴に合わせる着物には柄があります。

私の卒業式の頃は、ほとんどの方が矢絣模様でした。

最近の袴姿は、それに比べるととても華やかになっていますね

 

卒業式で袴を穿く時の履物は、草履かブーツです。

袴の丈はバランスを考えて、

草履の時はくるぶしまで、ブーツの時はもう少し短くします。

 

先述の外出の際の電車の中で、

中学生か高校生のお子さんがいらっしゃるくらいのお母さん方が四人でお話をしていました。

「最近は、小学校の卒業式で袴を穿くんですってよ」

「そうそう。『ちはやふる』の影響ですって」

 

こんな話を聞いた直後、さっそくそんな様子がテレビのニュースになっていました。

袴のレンタルに着付け、これに髪のセットを加えて4万円。

ご本人は「きれいで嬉しいです」と、晴れやかな笑顔でインタビューに応えていました。

 

親御さんの負担はたいへんですが、

こんな体験が出来た子供たちが「着物を着た」嬉しさや喜びを覚えていて、

いつか着物を着る人になってくれたら嬉しいな、と思いました。

 

 

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男性の着物

先日のお茶会で、男性の着物姿を目にしました。

我が社中にも男性がいらっしゃいますが、皆さんお茶会というと、キリッと袴を穿かれます。

 

男性の着物姿もステキですね。

背広と同じく、基本的に男性の着物に柄はありません。

男らしい立ち姿で勝負、といったところでしょうか?

 

男性の着物は「腹で着る」と言いますね。

お腹のやや下辺りで、帯を締めます。

ですから、実はちょっとお腹にお肉が付いていた方が

帯も落ちつくのですね。

女性と同じで、細めの方はお腹にタオルを巻くこともあります。

 

歩く時は、少し腰を落とし気味に。

最近の若い男性はひょろっと背が高くて足も長いので、

帯の位置が普通の高さより少し高い位置にあることも。

時代劇に若い男優さんが出ていることがありますが、

洋服の時のように歩いたり走ったりで、ちょっと笑ってしまうことがあります。

 

「海賊とよばれた男」パンフレットより
「海賊とよばれた男」パンフレットより

岡田准一さんは、時代劇にも時々出演がありますが

武術で鍛えた体に、着物がよく似合っていますね。

 

先日までやっていたNHK・BS時代劇「雲霧仁左衛門」に主演されていた中井貴一さんは、「時代劇を伝えて行くことの大切さ」も痛感されているとのこと。

流石に着物姿もステキです。

中井さんの細身の着流しの裾が、歩く度にちらちらとめくれて、「ステキ~♡」

と、うっとりしながら見ていたワタシなのでした。

 

 

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「着物」を読む

ある本を読んでいたら、泉鏡花の「当世女装一斑(いっぱん)」という作品のことが書かれていました。

泉鏡花は明治・大正期に活躍した作家ですから、随分前の文章になります。

そしてこれは小説ではなくて、当時の一人の女性が身支度を整えるのに、お化粧の始まりから着物を着るまで、

髪の結い方やどんな持ち物を持つかに至るまで、非常に細かく描写している作品です。

 

ちょっと読んでみたくて探してみたら、図書館にありました。

「日本の名随筆 38 / 装」(作品社)の中に収録されていました。

40人余りの方が「装」にまつわるお話しを書いた作品集です。

少し古い本なので、書かれた方の中には既に亡くなった方もいらっしゃいますが

着物を普段から着ていた時代のお話もあって、興味深く読みました。

 

抜粋ですが、ちょっとご紹介しようと思います。

「わたしは母に頼まれて、花ござに包んであるゆかたを両足で踏んだ。洗って、のりをつけて、まだ湿りの残っているゆかたをていねいにたたんで踏む。おそらく母が、そのまた母親のしぐさを真似ていたのだろう・・・」

            「匂いだついろ」より(森崎和江/詩人・評論家)」

 

「袷の裏は・・・表、裏共々に映え合い、物言い交わすような行き交いを、人と着物の間にも、着物の表と裏との間にも持たせたい。・・・きもの着では、ほんの少ししかこぼれない色ほど、大切にしたい。裏に心をこめておくのは、自己へのいとおしみでもあるようで、脱いで畳む時など、着物へのいたわりや愛情の心が湧くのである・・・」

                     「うら、おもて」より(篠田桃紅/書家)」

 

「形は心なりーーー暑い日にだらしのない形は、いっそうむし暑さを助長させるから、

シャンとした形をしとりなされ、と母は常に女の子のわたしたちに言った・・・むしむしする水蒸気の多い日本の夏に、きもののもつ難儀を難儀とせず、きものにみせられているとき私は美しい日本の「形」の中にこめられているこころの緻密さを感じ取ることが出来る。」 

                      「きものの花」より(生方たつえ/歌人)

 

この「日本の名随筆」シリーズには「着物」編もあります。

ご興味のある方は、呼んでみて下さいね。

 

                                                          

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大寒

今は一年で一番寒い二十四節気でいうところの大寒。

各地で悪天候が続き、影響が出ています。

雪がたくさん降っている地域の皆さま、気を付けてお過ごし下さいね。

 

この寒さのせいか、私も今月中旬に、滅多に引かない風を引いてしまいました。

熱も出なかったし、頭も痛くならずに軽かったのですが受験シーズンですし、人にうつしてもいけないし・・・

で、お医者に行って早く治してしまおう!と思い、一般的な風邪薬と咳止めを貰ってしばらく飲んでいました。

 

春まであと少し・・・雪を被ったふきのとう
春まであと少し・・・雪を被ったふきのとう

そしたら何でしょう、薬を飲み慣れないせいか胃にもたれてしまい、逆にだるさを感じるようになりました。

何だこれ?

と思いネットで調べたら、風邪薬でだるくなることがあるようです。

私には「薬を飲む前のほうが元気だった」という結果に。

もしかすると、風邪の症状があまりにも軽症だったので、

効きすぎてしまったのかもしれません。

 

真偽のほどはわかりませんが、結局薬は止めてしまいました。

何よりもマスク。

人にうつさない、人からうつされない、今の季節は暖かいし、保湿になるし、顔は隠れるし(#^.^#)。

 

着物で外を歩く時に足首が寒いので、こんなものを買いました。

足袋用ストッキングです。

足袋の前(下)にはきます。

写真の右は表ですが、左のほうは足裏側で、かかとが付いています。

 

先日はいて出掛けたら、その温かさに感激!

早速友人の前で着物の裾をまくって「見て見て~」。

買ったお店の方が「サイズに迷ったら、小さいサイズのほうが足袋の中で邪魔にならないよ」。

色もベージュなので、万が一裾がめくれても目立ちません。

 

そんな季節もあと少し。  

春は少しずつ近づいて来ているようですよ。

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