山の暮らしと「衣」

佐倉の国立歴史民俗博物館で、左のような展示をやっています。

これは加賀市に在住していた民俗学者の伊藤常次郎氏が、

昭和20年代から50年代にかけて収集した「石川県白山麓山村生活用具」の中から

服飾関係を取り上げて展示したものです。

白山麓は牛首紬で名高い地域を含み、山深く有数の豪雪地帯です。

暖房設備はもとより、今のような暖かい衣類が無かった頃の人々の生活に

想いを馳せながら、じっくり見学してきました。

 

山の中で稲作が出来ませんから、ワラも取れません。

蓑(ミノ)もチガヤで作ったりしました。

山での生活には、ケガを防ぐために丈夫な衣類が必要です。

自生の藤やシナの皮から植物繊維を取り、太い糸にして布を織りました。

                  これらの繊維は、ワラに比べるとは強度に優れていたということです。

それにしても、その美しさに目を見張りました。

丁寧に作り上げることは、山の生活でのケガを防ぐため、

また冬の寒さから身を守るために必要だったのかもしれません。

民藝運動を始めた柳宗悦の「無名の工人の作ったものの中にこそ美がある」という言葉を思い出しました。

 

写真OKとのことでしたので、一部紹介します。

 

キビシアテは雪草鞋(ユキワラジ)を履く際に踵に当てる物で、藍染めの木綿を数枚重ねた上に綺麗な刺し子が施してあります。

マタウソは、長く歩く必要のある際に、雪草鞋(ユキワラジ)を履く前に指先にかぶせます。

ズボンは作業用の木綿のモンペで、股下にマチがついて動きやすくなっています。何枚も当て布がされています。

藁グツも、もちろん手作りです。

帽子はヒノキを細く削ったヒンナという材を編み込んで手作りしたもので、リボンがお洒落ですね。

 

 博物館を出た後は、隣の佐倉城址公園をちょっとお散歩しました。

カラッと爽やかな風が吹いていて、とても気持ちが良かったです。

今は、緑がとても綺麗ですよ。

かなり広いですが、所々にベンチもあります。

 

公園の端に、博物館の別館(?)の「くらしの植物苑」があります。

興味のある方はこちらも楽しいですから、行ってみて下さいね。