必ず扇子を・・・

だんだん暑くなって来ましたね。

団扇や扇子であおぎたくなることが増えてきました。

 

扇子には大別すると2種類あり、

一つは普段使う涼を取るためにあおいで使うもの、

もう一つは儀礼用で、祝儀・不祝儀用、茶道用の扇子などがあります。

写真の右は普段使い、左は茶扇子で通常のものよりも

少し小振りの約15㎝の大きさです。

茶扇子は、実際はこのように開いて使うことはありません。

もちろん、パタパタとあおいだりしてはいけません。

 

茶道では、必ず扇子を携帯します。

畳の上でご挨拶する場合には、自分の前に扇子を置き、相手に対してちょっと距離を置いて遜(へりくだ)りつつ

頭を下げます。

お茶事の際には、席入りといってお茶室に入ると、まず掛物に進みます。

これはお茶事のなかで、掛物が一番大切なものだからです。

なぜかというと、お客様をお迎えするために「亭主」が決めた

この日の茶事のテーマがそこに表されているからです。

茶道は禅と深い関係にありますから、掛物は多くの場合、

墨跡(禅僧が書いたもの)です。

お客様は、膝の前に扇子を置いて掛物の前に座り、一礼した後、

手をついて拝見します。

これは掛物に頭を下げるのではなくて、これを書いた方に対して下げるのです。

何が書いてあるのか、それを通して「亭主」がこの日の茶事に込めた想いを汲み取ります。                      

 先月社中で茶事の亭主をされた方がいました。

男性ですが、趣味の多い方で、茶碗も茶入れも茶杓も全てご自分の手作りでした。

けれど、掛け軸だけは自分で書くというワケにはいきません。

お客さまに「頭を下げていただく」ことになりますから。