日本髪

橋本澄子著「日本の髪形と髪飾りの歴史」より 
橋本澄子著「日本の髪形と髪飾りの歴史」より 

前回江戸時代のお話を書いた続きで、今日も少し前の時代のお話です。

 

古い時代を舞台にした小説などを読んでいると、

当然女性は着物を着ていて、それらの着物の細やかな描写と共に、

日本髪の記述に出会うことがあります。

これは一体どんな髪型なのかしら・・・と思うことはありませんか?

 

時代劇などでは、みな同じように着物を着たり髪を結ったりしていますが、実際は年齢・身分・立場などによって着物の素材や着こなし方も様々で、と同様に髪型にも色々な種類があったようです。

基本の形に、自分の顔や頭の形に合わせて各自でちょっとしたアレンジを加えたり、ちょっと個性を出してみたり。

女性のお洒落心は、昔も今も変わりがないのかもしれませんね。

 

左の二つは「桃割(ももわれ)」です。

若い娘さんの髪型です。可愛らしいですね。

 

真ん中は「蝶々」、江戸では「銀杏返し(いちょうがえし)」と呼ばれます。

年齢・職業を問わず、幅広く結われました。

祇園では、島田に結うのが暑苦しい夏に芸妓さんが結った時期があったそうです。

真ん中が空洞になっていますから、涼しいかもしれませんね。

 

右から二番目は丸髷(まるまげ)。

結婚したら、この髪型にしました。

髷(まげ)の大きさは、年齢とともに小さくなります。


 

             南ちえ著「日本の髪型」より


一番右は「束髪(そくはつ)」。

いわゆる「庇髪(ひさしがみ)」です。

少し前の朝の連ドラ「花子とアン」の中で、

蓮子さんがたいそう立派な庇髪を結っていましたね。

これは明治に入ってから、西洋人のマネから生まれた髪型です。

 

日本髪は重たいですから、自然に目も伏しめがちでうなだれたような姿勢になり・・・ということで、日本女性のイメージが「しとやか」になったという説も・・・?

 

立場や季節の違いによる日本髪の作法は、祇園の舞妓さん・芸妓さんの世界などではまだ生きているようですよ。