「自然から色をいただく」

先日、今年の文化勲章受章者が発表されました。

その中に、染織家の志村ふくみさんがいらっしゃいました。

御年91歳です。

1990年には、人間国宝に認定されています。

京都・嵯峨野で、天然染料から糸を染め、手織りで紬を織っていらっしゃいます。

皇居での親授式では、ヨモギで染めたという優しい色合いのお着物をお召しになっていました。

 

志村ふくみさんは、天然染料で糸を染めることを

 

           植物から命をいただき、色をいただく

と、表現されます。

「この色を出したい」と合成する化学染料と、どういう色が出るかやってみなければわからない天然染料の違いは

人間が主か、自然が主かの違いであると。

 

桜の木から糸を染めようとする時、桜の花びらを使うのではなく、

その幹や枝を使うのだそうです。

これから美しい花を咲かせようというそのエネルギーが幹や枝に満ちており、

そのエネルギーを正に「いただいて色にする」。

ですから、同じ木でも日によって出てくる色は違うのだと。

 

志村ふくみさんの着物には、全て作品名が付いています。

写真が小さくて、細かいニュアンスが伝わらないかもですが、

下の写真は、上段中央が鈴虫、その右が山野、下段左より初雪、雪の湖、夢殿。

 

志村さんは、本もたくさん書かれています。

文章もステキですよ。