回り道は発見の道

生徒さんが、初めて長襦袢をマイサイズに仕立てることになりました。

入学当初は既成のポリエステルの長襦袢をお持ちになり、それで勉強していらっしゃいましたが、

 着付けの勉強が進むうちに、だんだん自分のサイズにぴったり合った長襦袢が欲しくなってきました。

そこで、お仕立てしてくれるところを自分で調べて、採寸に行かれました。

 

次の授業で、測ってもらった寸法を見せてくれました。

私は、「あらっ?」と思いました。

この生徒さんは、身長は163cmですが、身長に対して裄の長さがとても長かったのです。

 

着物の裄は、着物の肩幅と袖巾を足したのものになりますが、

肩幅も袖巾も反物巾に関係していて、あまり裄が長いと、反物の巾が足りないということが起こります。

最近の若い方は、手足が長くなっていますから、反物の幅も大分広くなっていますが、

寸法表に書かれたこの生徒さんの裄は、まさにこんな広幅の反物はあるかしら?という感じの、

ぎりぎりのサイズでした。

 

着物の裄は、反物巾との関係もありますし、袖の中で肘が折れていますから、

洋服と違って、少し短くても大丈夫な場合もあります。

この生徒さんにも、こんな話の他、仕立ての都合や着物の構造・・・など、少しアドバイスして、

結局裄は少し短くなりました。

そうすれば、これから着物を誂える際に選択出来る着物をぐんと増やすことが出来ます。

測ってくれた呉服店の方も、まだ経験の浅い若い方だったようです。


私も裄が長いので、これまで試行錯誤で、失敗もたくさんしてきました。

譲り受けた着物を、サイズ直しすることなくそのまま着られる人が

羨ましいです。

けれど、色々悩むことで、着物の仕立てについて学んだり、

着物への理解が深まったりしました。

この生徒さんも、「今回のことで、とても勉強になりました」

と言ってくれました。

 

着物に限らず、目的に向かって進む時、

直線に行くコースは無駄が無くて速いようですが、

寄り道や回り道、時々立ち止まったりして・・・

というのも、拾い物や発見があって、得るものが多かったと思える場合も

ありますね。