直線裁ち

朝ドラ「とと姉ちゃん」で、着物の生地から直線裁ちのワンピースを作るという話をしていました。

これは戦後の日本で、まだ大勢の人が和装で暮らしていた頃、

物もお金もない時代に、簡単に洋服を作ろう!ということで編み出されたワンピースです。

 

「三十二番職人歌合」(1838年の模写)より    反物を解いて洗った後の伸子張りの様子
「三十二番職人歌合」(1838年の模写)より    反物を解いて洗った後の伸子張りの様子

お話の中でも語られていたように着物のもとは反物で、

同じ幅の生地が巻物のようになっています。

それを着る人のサイズに合わせて縫っていくのです。

 

着物を仕立てる和裁は洋裁と違い、

「不要な部分を切り落とす」ということがありません。

全て縫い代として隠してありますから、

ほどいて伸ばせば元の反物に戻ります。

着物のこのシステムのお陰で、譲り受けた着物を着たり、

サイズ直しをしたりして、着続けることができるのです。

 

ドラマの中のワンピースは、

首の出るところだけ生地を切り抜いているようですが、

着物の場合は、この部分も切り落としません。

きれいにたたんで、衿の中にしまってあります。

余分な部分をたたんでしまうことで、着物の衿がふっくらするという利点もあります。

 

ですが、最近のミシン仕立ての浴衣などは、この限りでありません。

なるべくコストをかけずに作られていて、余分な縫い代などはありませんから、ほどいても反物にはなりません。

こちらはもともと、仕立て替えを想定していませんし、ミシンの縫い目をほどくのもタイヘンですね(#^.^#)。

 

和裁士が縫う着物と、ミシンで仕立てられた着物とは、やはり色々違います。

どちらが良いということでもありません。

その時の自分の都合に応じて、それぞれの違いをよく理解して求めましょう。