袖丸みのはなし

先日松戸市立博物館の「くらしのなかの着物」展のことを書きました。

その中で船底袖の紹介をしました。こんな感じです。

この袖は動く際に邪魔にならないように出来ています。

この写真は子供の着物でしたが、

昔の労働着なども、この形の袖が多いと思います。

ところで、これは何だかわかりますか?

「袖丸み」と言って、着物の袖を縫う際に使用する

和裁の道具です。

着物の袖の「振り」でない方、つまり手首が出る側の下の方ですが、角に少し丸みがついていますね。

「袖丸み」は、着物を仕立てる際に、

この袖下に丸みを付けるために使用する型です。

しっかりした厚紙のようなもので出来ています。

 

着物の袖には、実はいろんな形があるんです。 



この袖丸みにはR(アール)がついていますが、

それぞれ少しずつアールの大きさが異なります。

 

普通は、写真右側のような5分丸みを使います。

着物を仕立てる際に

「袖の丸みはいくつにしますか?」

と聞かれることはほとんど無いですね。

黙っていると、この5分丸みになります。

 

ですが、普段着の着物、カジュアルの着物などは

もう少し丸みが大きくても良いのですね。

左は会津木綿の普段着ですが、

右の着物より大きなアールにしました。

カジュアル感が増すような気がしませんか?

 

お茶のお稽古では、左袖のすぐ脇にお湯を捨てる建水という道具を置くのですが、

うっかりすると、捨てたお湯の入ったその中につい袖が入ってしまい「きゃあ~」という事態に・・・!

先生が「袖の丸みを大きくすると入りずらいわよ」と教えて下さったことがあります。

 

丸みが大きい方がちょっと可愛らしい感じもします。

振袖や七五三の着物の袖もアールが大きいですね。

だからと言って、大人の留袖や訪問着などは5分丸みで仕立てますのでご注意を。