「茶碗の中の宇宙」展

もう一つの展示会「茶碗の中の宇宙」展は、楽茶碗の展示会です。

楽茶碗は今から450年前、茶碗といえばろくろを使って作るのが主流だった時代に、千利休が当時の陶工・長次郎に手びねりで作らせたのが始まり。

今回の展示会では、この初代・長次郎から当代・15代に渡る全時代の楽茶碗を総覧しています。

こちらも見逃すわけには行きません。

 

会場では、各代の代表する茶碗が展示されています。

中でも初代・長次郎の作品は数多く展示されていて、

先に見た国立博物館での作品を合わせると、一日でたくさんの長次郎作品に会えたというとても貴重な一日になりました。

 

楽家の茶碗は「一子相伝」ですが、

単に伝統を守って来たのではではありません。

各代とも独自性や創作性を発揮させて独自の作品を作り続けてきました。

     

国宝・待庵/床
国宝・待庵/床

たくさんの楽茶碗を拝見する中で、私にはやはり長次郎の茶碗が印象に残りました。

長次郎の茶椀の多くは、後の織部の茶碗に見られる歪みなどの作為は感じられません。

けれど、茶碗の上から中を覗き込んでみると、とても深いのです。

横から見たのではとても想像できない「深さ」でした。

長次郎の茶椀を覗き込んで、私は利休の茶室「待庵」の床を思い出されました。

待庵の床は、奥の角の柱を見えないように塗り回した「室床(むろどこ)」と呼ばれる作りで、奥行きが感じられるようになっています。

同じ時代を生きた利休と長次郎ですが、どこか似ているのかも知れません。

 

いろんな角度から見たり、実際の大きさを知ったりするのは、

やはり実物ならではの醍醐味ですね。

解説が書かれてありますから、それぞれの楽茶碗が作れれた時代背景などを考えながら拝見出来て、理解が深まりました。

 

こちらの図録は2300円。

もちろん買いました。

どちらの展示会の図録も、記憶が薄まらないうちに、じっくり開いてみたいと思っています。