
出光美術館で開催中の「水墨の風」展に行ってきました。
副タイトルに「長谷川等伯と雪舟」とあります。
長谷川等伯と雪舟の優品を中心に、
中国絵画の名品を交えて紹介しようという展示会です。
水墨画は、日本には鎌倉時代に禅と共に伝わったのだそうです。
水墨画は、ちょっとお茶の世界にも関係があります。
室町時代に時代に始まった茶の湯ですが、
当時は掛物に中国絵画が用いられていました。
中でも牧谿(もっけい)の水墨画は特に好まれていたそうですが、
今回の展示の中にも牧谿の作品があります。
日本の水墨画といえば雪舟。
室町時代に明に渡って本場の水墨画を勉強して帰国し、
後世に大きな影響を与えました。

もう一人の長谷川等伯は、雪舟より少し後の時代・豊臣秀吉の頃の人です。
千利休とも親交がありました。
長谷川等伯は、水墨画だけでなく障壁画なども描いています。
今回の展示会では「竹鶴図屏風」という作品がありました。
(左のパンフレットの一番上)
会場の解説にもありましたが、等伯の「松林図屏風」(国宝)を思い起こさせます。
以前「松林図屏風」を見る機会があったのに、その機会を逸してしまったことがあるのですが、きっとこんなタッチなのだろうと思いました。
墨の濃淡で表現された竹林に引き込まれました。
水墨画は基本的に墨一色です。
墨の濃淡や筆の運び(運筆)だけで表現します。
そして描かれていない余白部分・・・にも、私たち日本人は何か感じるところがありますね。
その他、足利将軍家の同朋衆だった観阿弥・相阿弥の作品なども展示されています。
興味のある方は、是非足を運んでみて下さい。
7月17日までです。