「袖を通す」

「袖」のつく言葉は意外に多くあります。

袖を分かつ、袖を絞る、袖を引く・・・

「袖を分かつ」というのは「袂を分かつ」と同じ意味ですが、どちらも袖ですから面白いですね。

「袖を絞る」のは、着物を着た女性が袖で涙を拭くことからきていますが、歌舞伎や文楽で見られるしぐさです。

「袖を引く」はこのしぐさで注意をしたり催促したりする意味ですが、

これが「男の袖を引く」ということになると男性の気を引くという意味になり、また違ったことになってきます。

 

初めての衣服を着ることを「袖を通す」といいますね。

最も、最近の若い方はこんな言い方はしないかもしれませんが。

 

前置きが長くなってしましましたが、

生徒さんの初めてのお誂えが仕上がってきました。

染匠のwashable長襦袢とコートのお誂えです。

納品のお知らせをすると、心待ちにされていたのか、

お仕事の合間に取りにいらっしゃいました。

「お誂え」ですから、サイズピッタリに仕立て上がっているはずですが、確認のため「袖を通し」ていただきます。

 

新しいタトウ紙を開く時は、いつでもワクワクドキドキです。

しかも今回は、ご本人にとって初めての「お誂え」でした。

まず長襦袢のタトウ紙を開けます。

淡い色のグラデーションに染められた長襦袢。

「うわ~、きれい。」

羽織ってみました。バッチリです。

次にコート。こちらも淡い色の上品なコートが出来上がりました。

 

コートも出来たので、これから寒くても着物でお出掛け出来ますね。

どちらも満足されたようで、私もとても嬉しいです。