プロフェッショナルのきもの

先日NHKの「美の壺」で相撲の話をしていました。

その中から衣装に関係するお話をご紹介します。

 

まず、力士の締めている廻し。

稽古用は「稽古廻し」と言い、写真のようなもので、素材は綿。

これが十両以上になると、本場所では「締め込み」と呼ばれる絹の廻しを締めます。こちらは絹の繻子織。博多織もあるようですが、番組で紹介していたのは長浜市の手織りの機屋さん。通常の帯の4倍の密度で織るそうです。

 

もう一つは、行司の衣装。

幕下の取り組みの行司は木綿の衣装に裸足で土俵に上がりますが、

幕内の取り組みと仕切る「立行司(たてぎょうじ)」になると、衣装も豪華になって西陣織の錦地になります。

その仕立にも様々な工夫があって、手掛けるのは神官装束などを扱う専門家。

立行司の腰には短刀が差してあり、これは「差し違えたら腹を切る」という意味だそう。

(もちろん、今では本当に腹を切ることはありませんよ)


話は変わりますが、左は今読んでいる文庫です。

著作者の岩下尚史さんは、テレビでもちょくちょくお見かけします。

「ハコちゃん」の愛称で呼ばれていて、いつもお着物をお召しですね。

この本は、その岩下さんが昭和前期から新橋で活躍した芸者さん達にインタビューして、

当時の花柳界の様子をまとめたものです。

 

まだ途中までしか読んでいませんが、当時の花柳界では帯結び一つとっても、土地独自の特長があって、あれは新橋、あちらは赤坂・・・などすぐに見分けがついたそうです。

また着物の仕立ても、芸者さんは衣紋を大きく抜きますから、「玄人(くろうと)仕立て」と言って、一般の人とは異なる仕立て方をするのだとか。

着物のことも色々出て来て、面白く読んでいます。

 

今「着物を着る」というと、なんとなく教科書通りというか、みな同じように着ようとしてしまいがちですが、

本来は着物の着方にも個性があって良いハズですね。

まあ「自分らしく着る」ためには、何回も着てあれこれ悩んで・・・ということになりますが。