NHKの「日本の芸能」という番組がありますが、先日の内容が「川風誘う江戸の粋」だったので、興味深く見ました。
取材場所は柳橋(やなぎばし)。神田川が隅田川に流入する所に架けられた「柳橋」に由来し、花街として有名なところ。
右の写真は1951年頃の柳橋。
三味線の音が聞こえてくるようですね。
番組に出ていらしたのは、藤間流の舞踏家や小唄の先生、料亭の女将など。
みなさんもちろん着物姿でしたが、
どの方も着物・帯共にスッキリとした江戸風の着こなし。
まずそんなところから引き込まれて拝見しました。
番組司会の高橋英樹さんによると、お座敷で直に芸妓さんの踊りを拝見すると、着物の衣擦れの音が聞こえてくるそうですよ。
体験してみたいものですね。
着物には「江戸小紋」というのがあります。
非常に細かい柄の小紋で、遠目には無地に見えるけど、近づいてみたら「あら、こんなに細かい柄が!」というもの。
江戸の粋を表現していると言われています。
また、江戸時代には「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねず)」という色も生まれました。これは茶色と鼠色に微妙な差をつけたたくさんの色があったことを示します。渋めの色のわずかな違いを楽しんだワケですね。
また留袖の柄付けに「江戸褄文様」というのがあります。
これは衽から前身頃、裾にかけて柄を入れ、後ろ身頃には模様が少ない柄付けのことで、江戸風のすっきりとした文様を指します。
また、江戸友禅は磯の松、釣り舟、網干し、千鳥など海辺の風景が描かれているのが特徴です。
色数も抑えて、全体としてすっきりしているのが江戸好み。
留袖や訪問着などより、色留袖や付け下げにに江戸友禅の佳作が多いのは、色柄の分量や配色がすっきりとしているためとも言われています。