六本木の大倉集古館で開催中の「〈特別展〉芭蕉布 人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事」を見て来ました。
私の中で「芭蕉布」と「平良敏子」さんはほぼ”イコール”。
なかなかお目にかかれない本物の「芭蕉布」を間近で見られる機会なので、
とても楽しみに足を運びました。
1階の展示室では、車輪橋や琉球藍・福木など、全て現地で採取できる染料で染めた糸で織られた様々な色の芭蕉布の着物が。
自然の色で織られた着物の優しいたたずまいにうっとり。
2階の展示室では、芭蕉布の着物に表現される様々な絣の技法と共に、
芭蕉布作りに欠かせない様々な道具も展示されています。
芭蕉布は糸芭蕉の茎の繊維を細くほぐして糸にしますが、その繊維は中心に行くほど柔らかいため、
この繊維は一番外側から中心まで4段階に分けられて、それぞれ適したものに利用されます。
一番外側は皮、そのすぐ内側は帯地に、三番目が着尺に、中心の一番柔らかい部分は染色用とのこと。
初めて芭蕉布の着物を間近に見て、驚いたのはその糸の細さ。
乾燥に弱いので、湿度に注意しながら作業されるのだそうです。
また、繊細な絣模様にも魅了されました。
お馴染みの小鳥(トゥイグヮー)柄や、銭玉(ジンダマー)柄、
それらの変形など・・・。
沖縄は暑いですから、仕立てもゆったりと。
袖口が大きく身頃幅も広い芭蕉布を見つめていると、こちらも沖縄の風に吹かれているような気持ちになりました。
地下にはミュージアムショップもあります。
約30分のDVDで、芭蕉布作りの映像も見ることが出来ますよ。
展示会は7月31日まで。
暑くなってくるこの時期に、是非足を運んで涼しげな芭蕉布をご覧いただきたいと思います。
ギャラリートークや琉球舞踊の生演奏、芭蕉布の糸づくり体験などあったようですが、残念ながら全て既に満席とのことです~。