川瀬巴水と芹沢銈介

少し前の夕刊に、見てみたいと思う展示会の案内が出ていました。

「生誕140年 川瀬巴水 版画の旅」。

川瀬巴水(1883-1957)は日本画家・鏑木清方の門下で、日本の風景を

情緒たっぷりの美しい版画に描いた人。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズが幼い頃に友人の家で目に留め、

心を奪われた日本の版画が、川瀬巴水の「日光街道」だったそうです。

 

開催の美術館は「茂木本家美術館」。

ちょっとわからなかったので調べたら、野田市のキッコーマン創業家の茂木本家が開館したものだそうです。

野田なら電車で行けるので、川瀬巴水の版画が好きな横須賀に住む妹に念のため声をかける「行く!」とのこと。

昨日二人で行って来ました。

 

館内はとても静かで、人も少なく、じっくりと鑑賞出来ました。

「やっぱり本物はいいわよね」。

 

画材は全国津々浦々。季節も様々ですが、雨の降る音や雪の積もる音、川の流れる音、風が吹き抜ける音、

市井の人々の話声・・・など、版画の中から聞こえてくるようです。

そこには、古い時代のゆったりとした時間が流れていました。

 

妹とは柏駅まで戻って別れた後、「せっかく来たからちょっと高島屋に寄って行こう~」と立ち寄ると、右のような案内が。

故・砂川七郎さんは、染色工芸家で人間国宝の芹沢銈介(1895-1984)の芸術に惹かれ生涯芹沢作品のコレクションに情熱を注ぎ「砂川美術工芸館」を設立。

惜しくも閉館となりましたが、今回はその中から何点かを展示。棟方志功の版画と合わせて展示されました。

 


芹沢銈介の作品は私も大好き。

芹沢作品の「御滝図のれん」の複製手ぬぐいを持っていて、夏に壁に掛けて楽しむのですが、

その本物と対面することが出来ました。本物は三連です。

昨日は思わず、美術鑑賞三昧の一日になりました。