着物のはなし

読売新聞オンライン11/8より
読売新聞オンライン11/8より

今日は最近目にしたり耳にした着物のはなしをいくつか。

 

まず今月上旬に佳子さまがペルーを訪問された際のお着物。

眞子さまも着たことがあるお着物だそうですが、

とてもきれいな色で、オレンジ系の帯・帯揚げと共に若々しい印象でした。

私は後ろ姿を目にする機会が無かったのですが、帯結びはおそらくふくら雀。

可愛らしく上品なお姿にピッタリです。

 

次は16日の朝日新聞の記事。

訪日外国人の数が新コロナ以前のそれを越えたのいうニュースです。 

最近は「こんなところに?」と思うような、以前には見かけなかったような場所でも訪日外国人の方々を見かけますね。

新聞の記事は、銀座の老舗呉服店で中国からの若いカップルが着物や帯など合わせて800万円ほど購入したとか、米国から来た女性が300万円の訪問着を仕立てた・・・というような記事です。

「高くても質の良いものを求める人が増えた」そうですが、

日本人にもなかなか手の出ない金額ですね。

 

最後は「着物のはなし」を少し別の角度から・・・。

現在東京国立博物館で特別展「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」というのをやっています。

機会があれば是非行ってみたいと思っているのですが、NHKの日曜美術館でその紹介番組をやっていました。

 

そこに画家の山口晃さんが出ていらして、博物館の展示物「白描画・源氏物語」の前で、日本の着物についてこんな風にお話しされました。

「着物は型紙で、つまり2次元で、折り紙です。でもそこに3次元の肉体が入ったときに、その2次元が3次元にちょっと邪魔される・・・それによって「得も言われぬライン」が、立体裁断では絶対に出ない直線のようでいながら、ふわっと柔らかさを含む、それが袂の部分とかに・・・」

さすが画家さんです。私には出来ない表現で着物の美しさを表現して下さった!と思いました。

 

着物は直線裁断で、それを曲線の肉体の上に纏うワケですから、着物を着るとシワが寄ります。

着物の着付けを習う際には「シワが出ないように!」と口を酸っぱくして教わりますね。

着物の雑誌では、シワが一つも寄っていない美しい着物姿がズラリ。

 

でもそれはあくまでも「撮影用」。動けばシワは出て来ます(もちろん最初からシワシワはいけませんが)。

その辺りのことを山口さんは「得も言われぬライン」と表現して下さいました。

芸術家はさすがだなあ~。