成田山新勝寺の敷地内に成田山書道美術館というのがあり、そこで「書の紙」展をやっているというのを知り、興味があって出掛けました。
今回の展示会は書を書くための紙の加工に焦点をあてた展覧会です。
書を書くための紙は、白いものばかりではありません。
染料に浸けたり、紙を漉く際に着色したり、または版木を用いて文様を摺りだしたり、箔を撒いたり継ぎ合わせたり・・・と様々な加工がされています。
今回はその様々な技術を見ることが出来ました。
それにしても、墨で書いた文字というのは美しいですね。
千年以上も前に書かれた墨の文字は、かすむことなく今でも黒々としていて、
まるで今書かれたみたい。
書道をされる方は、「臨書」といってお手本になる書をその筆運びのまま写すことを大切にされていますが、墨の跡を見つめていると、書いた方の息遣いが聞こえてくるよう・・・
千年以上も前の書いた方と正に対話をしているような心持ちになってきます。
書かれる紙のことを「料紙」とも呼びますが、
今回の展示品のように、丁寧に漉き込まれ、様々な装飾を施し、その上に流れるような仮名文字が書かれていると、まあなんと美しいものかと感じます。
料紙は繊細な日本人が生み出した、芸術品ですね。
興味のある方は、足を運んでみてください。
2月18日(日)までの開催です。
⇒ 新春特別展 書の紙 – 成田山書道美術館 (naritashodo.jp)
話は変わりますが、美術館を出てすぐのところに、有名な「水琴窟」があります。
水琴窟 は日本庭園の装飾の一つで、 手水鉢 の近くの地中に作りだした空洞の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させる仕掛けです。
以前にも訪れて聞いたことがありますが、久しぶりなのでまた聞いてみました。
近寄って、写真の縦に刺さっている竹の上部に耳を近づけると、キーン、キーンと澄んだ音が聞こえます。
成田詣でをされる際には是非ここまで足を運んで、この音を聞いてみてくださいね。