着物を「着ること」と「着せること」

こちらの教室で中等科(他装を勉強)でお勉強されていた方が、

先日修了試験に無事合格されて、着付け講師一級の認定を受けられました。

中等科の修了試験の実技試験は「留袖を15分で着せる」。

中等科も終了するころには手際も良くなり、通常こちらも心配するようなことはありません。ほとんどの方が少し余裕をもって着せ終わり、残りの時間を手直しに充てることが出来ます。

 

中等科修了の際には、上記のような「人に着せる(他装)」試験と共に、

着物を着た自分自身を撮影して提出することも必要で、これを「認定写真」と言い、

今まで勉強してきたことを踏まえて、着物を着たご自身の「ベストポーズ」を写真に収めます。

これは自分で用意しても、写真館で撮っても、また各教室で撮影しても良いのですが、

いずれにしても、こちらは「自装の総まとめ」ということになります。

 

先述の生徒さんも、認定写真を提出されました。

着姿と共に、写る際の姿勢や表情などみな素晴らしいお写真で、

ご覧になった校長先生からお褒めの言葉をいただきました。

この方は中等科の過程が終了されたわけですが、

「もっと着物の勉強を続けたい」とおっしゃって、高等科へ進学されます。

自分で着ることも、人に着せることも、どれだけやっても終わりということはありませんから、私も一緒に勉強していくつもりです。

 

ところで話は変わりますが、今年の1月の成人式で振袖の着付けをさせていただいたかたからお便りが届きました。

着付け後にお願いしたアンケートが2ヶ月遅れで届いたものですが、最後に嬉しい言葉が書かれてありました。

「地元を離れて直前まで留学していた私にとって、成人式は少し憂鬱な行事でした。

 でもきれいに着物を着付けていただき、自信をもって参加することが出来ました。

 また機会がありましたら、よろしくお願いします」

着物がこの方の気持ちを明るくして、そっと背中を押してくれたのかもしれませんね。

着物を着ることで、楽しく成人式に出席されたご様子を嬉しく思います。